材木屋は、製材品の種類を主に「用途」で分類しています。
これは丸太の選別・選定はもとより、鋸入れの時点では既に用途を想定して製材を行うことが前提となることから、何にどのように使うのかの「用途」で、丸太の種類や規格、数百種類にも及ぶ製材品の規格を「構造材」「野物(羽柄)材」「造作材」の大きく3つに分類しています。
ここでご紹介する「構造材」は、主に建築物の「骨組」に使用される比較的大きい部材のことで、土台や柱、母屋・束などの正角に製材された「角材」や、梁・桁などの断面が長方形に製材された「平角材」などがそれにあたります。部材自体が比較的大きいため。1本の原木丸太から、1本の製材品を作るように製材される事が多いのも構造材の特徴になります。
一般的に構造材として販売している規格寸法には、断面が正方形の「正角材」と、断面が長方形の「平角材」の2種類があります。正角材は主に用途で呼称されることが多く、土台(どだい)・大引(おおびき)・柱(はしら)・桁(けた)・母屋(もや)・束(つか)・火打梁(ひうちばり)など、一般建築の部位を用いて、土台角や柱角などと呼びます。田村材木店が製材する正角材には「スギ」と「ヒノキ」の2種類の樹種がありますので、先程の用途に樹種を加えて「ヒノキの柱角」や「スギの柱角」となります。
平角材は、断面が正方形の正角材に対して、断面を長方形に製材した角材を平角材と呼びます。平角材は主に建築部材の、梁(はり)・桁(けた)に使用することを前提に製材した製品になり、製材品の体積も大きいため、正角材の梁・桁などに対し「大梁材」や「大桁材」などとも呼称されます。田村材木店では特別な注文がない限り、通常品として「スギ」の平角材を生産しています。
角材の断面は正方形で、一般規格寸法として常備しているのは、90㎜角(3寸角)、105㎜角(3寸5分角)、120㎜角(4寸角)になりますが、田村材木店ではその大半が10~15㎜大きい「半製品」で在庫しており、注文に応じて修正挽き・仕上げ加工を行い出荷となります。長さは構造材においては1m刻みとなります。また、規格寸法以外の特殊な寸法の製材・乾燥・長期ストックも承ります。
正角材:規格寸法(一部抜粋)mm | |||
---|---|---|---|
長さ | 太さ | ||
2000 | 90角 | 105角 | 120角 |
3000 | 90角 | 105角 | 120角 |
4000 | 90角 | 105角 | 120角 |
5000 | 105角 | 120角 | |
6000 | 105角 | 120角 |
平角材の断面は長方形で、一般的には建築物の梁・桁に使用されることを前提として生産しており、その規格寸法は断面長方形の短手方向は、柱の太さに合わせ105㎜と120㎜が基本になり、長手方向は建築用語で梁背(はりせい)と呼び30㎜(1寸)刻みで120㎜から在庫しております。こちらも角材同様10~15㎜大きい「半製品」で在庫しており、注文に応じて修正挽き・仕上げ加工を行い出荷となります。規格寸法以外の特殊な寸法の製材・乾燥・長期ストックも承ります。
平角材:規格寸法(一部抜粋)mm | |||
---|---|---|---|
長さ | 厚み | 梁背 | |
2000 | 105 | 120~390 | |
3000 | 105 | 120~390 | |
4000 | 105 | 120~390 | |
5000 | 105 | 120~390 | |
6000 | 105 | 120~390 | |
2000 | 120 | 150~390 | |
3000 | 120 | 150~390 | |
4000 | 120 | 150~390 | |
5000 | 120 | 150~390 | |
6000 | 120 | 150~390 |
田村材木店では、建築様式や加工の方法、建築業者のスタイルに合わせた、乾燥方法をご提案しています。
田村材木店が生産する構造材の乾燥方法は、天然乾燥・人工乾燥(高温)・ハイブリッド乾燥の3種類です。
建築ニーズに合わせた乾燥方法で、日光の木をプレカットして現場にお届けいたします。プレカットは通常の構造材の他に、間柱や筋交い、タルキなどの羽柄材にも対応しています。また、必要に応じて造作材も加工して納材しております。1990年以降爆発的に広がったプレカット加工も近年では大幅に精度が上がり、加工技師の教育と共に加工時の品質確認までおこなえるようになりました。そうした加工技術が進む一方、木材の流通は簡素化され書面だけで木材が流通する時代となりました。結果、手刻み以上の加工精度を誇りつつも、未だ木の良さを活かすことができないのは、その流通形態と出荷する側の品質管理不足によるものだと考えられます。
田村材木店では、どこにどのように使用するのかを指示する「番付」を、部材全てに書き込み、東西南北・上下・左右の方向までも指定して加工に入ります。本来大工さんが行っていた作業工程を、製材する田村材木店が対応する事で、より木の特性を活かした使い方をプレカットに加えることができます。
機械は使い手次第。人工乾燥機同様仕上がりは使い方次第で良くも悪くもなります。ぜひ、田村材木店のプレカットをご利用ください。
ハイブリッド乾燥材や天然乾燥材は、一旦在庫全てを完売してしまうと、新たに製材して出荷できるまでにかなりの期間を要します。そうならないように一定数の在庫管理はしておりますが、突然の大口注文で在庫が空になることもあり、ご利用を予定されていたお客さまにご迷惑をおかけすることもあります。そこで始めたのが「作り置きサービス」です。
工務店さまの都合に合わせた必要な寸面の必要な数量だけ製材して、必要なタイミングで仕上げてお届けするまで、1年間無料でお預かりいたします。
このお預かりサービスに対応しているのは下記の製材品のみになります。
お預かりサービス対応製材品mm | |||
---|---|---|---|
機種 | 長さ | 寸法 | |
杉・桧 | 3000 | 105角 | 120角 |
杉・桧 | 4000 | 105角 | 120角 |
無料お預かりの仕組みを簡単に解説。
例えば…
ヒノキ 3mの120角 200本をハイブリッド乾燥で注文した場合。
120角の場合、約10ミリ大きい130ミリ角で製材します。
ハイブリッド乾燥の場合は、桟積みして人工乾燥機でドライングセットをかけます。
表面にセットがかかったところで釜から出します。
その状態のまま、天然乾燥施設内で自然乾燥を行います。
天然乾燥の場合は、製材後桟積みしてそのまま天然乾燥施設内で自然に乾燥させます。
通常、ヒノキの120角・105角の場合、ハイブリッド乾燥で3ヵ月程度で使用できる含水率にまで下がります。スギの場合はもう少し長くて4~5ヵ月。
お時間が許せば半年以上、じっくりと屋根のある風通しの良い場所で自然に乾かすことが理想的なので、田村材木店の天然乾燥施設でのお預りをお勧めしています。
※栃木県外への配送の場合は、配送料が発生いたしますので
この時点で合わせてご請求をさせていただきます。
【ご注文いただいていた数量と、使用する数量が異なる場合】
■発注数量(取置数量)が実際必要とする数量より少なかった場合。
例:200本発注 → 220本必要
不足する20本はお預り材では対応ができなくなります。弊社の在庫材での不足分補填は可能ですが、その際の乾燥材種別(KD・AD・HD)の選択ができない場合が想定されます。
■発注数量(取置数量)が実際必要とする数量より多かった場合。
例:200本発注 → 180本使用
ご発注いただいた数量の約10%程度の減であれば、余った20本は弊社の在庫とし、その際の余材はその時点で取り置きから除外いたします。もちろん、ご請求は残金の80本分のみとなります。詳しくはお問い合わせください。
以上のように、10%程度以内であれば、多めに発注しても使わなかった分のご請求はいたしませんので、実際に必要となる数量より、少し多めにご発注いただく事をお勧めいたします。
お預かりサービスと連動して、昔ながらの「すりばん」表示サービスを行っています。
通常、田村材木店では、すりばん表示を希望される場合には、産地と出荷種別によって「すりばん」表示を変えて対応しております。
日光市産材の場合は「とちぎ日光材」すりばん。
森林認証材の場合は「森林認証材」すりばん。
宇都宮大学演習林産の場合は「宇大ヒノキ・スギ」すりばん。
弊社の名前入りがご希望の場合は「有限会社田村材木店」すりばん。
このように、様々な「すりばん」を使って、柱などに文字を摺って表示させる事ができます。
田村材木店が保有するすりばん表示ではなく、工務店さま独自のすりばんを作成して、出荷時に田村材木店がその独自のすりばんを柱に摺ってお届けすることができます。
御社の会社名や、キャッチコピー、ロゴマークなどのすりばんを作ることができます。すりばんなので、極端に細かい文字やロゴ、全長70センチを超えてしまうような文字数は作ることができません。詳しくはお問い合わせください。
すりばん作成にかかる費用は実費でご負担していただき、作成したすりばんは弊社で保管・管理させていただきます。
文字数や書体、ロゴの形などによって費用は変わりますが、弊社のすりばんは一枚で大凡¥25,000~¥35,000程度。以前は銅板で作成していましたが、近年はアルミ製になりました。耐用年数は頻度にもよりますが弊社の場合10年以上は使用しています。細かい文字の接合部分が欠けてしまったり割れてしまうこともありますが、手直ししながら使用し、それでも使えなくなれば都度ご相談をさせていただきます。
1本につき1面であれば摺手間は基本無料です。極端に大きなすりばんや、すりばんとステッカーなどの併用の場合は、別途費用をいただく場合がありますので、ご相談ください。また、すりばんは、プレカット等によるプリンターのような吹付の印字とは異なり、一本一本手作業でのすりばん摺りになりますので、墨の出具合や摺る職人によって、風合いが全て異なりますのでご了承ください。