野物(羽柄)材とは、主に木造建築の骨組み材となる「構造材」と、仕上材(化粧材)になる鴨居や敷居、天井板、建具材や家具材などの「造作材」以外の、主に下地材や補助部材として通常建築において隠れてしまう部材の総称として用いられる建築用語です。
建築に使用する木材は大きく分けて「構造材」「野物(羽柄)材」「造作材」に分類されますが、野物(羽柄)材は、骨となる「構造材」と仕上がった後にも見える「造作材」の『繋ぎ役』を担うような部材です。広く「野物(羽柄)材」と括りますが、その形状や大きさ長さは地域や用途によって様々です。通常は何かを仕上げるための下地として使用する事が多く、節や色、杢目や樹齢などにはこだわらない部材としてご利用いただいております。
野物(羽柄)材:規格寸法(一部抜粋) | ||
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長さ(m) | 厚み(mm) | 巾(mm) |
3・3.64 | 12 | 80 |
1.82 | 12 | 150~ |
2・3・3.64・4 | 14 | 45 |
2・3・3.64・4 | 14 | 100 |
3・3.64・4 | 18 | 18 |
3・3.64・4 | 24 | 30 |
3・3.64 | 24 | 150~ |
3・3.64・4 | 30 | 30 |
3・3.64・4 | 30 | 40 |
3・3.64・4 | 33 | 40 |
3・3.64・4・5 | 36 | 45 |
3・3.64・4・5 | 45 | 45 |
3・3.64・4・5 | 45 | 55 |
3・3.64・4・5 | 45 | 60 |
3・3.64・4・5 | 45 | 75 |
3・3.64・4・5 | 45 | 90 |
3・3.64・4・5 | 45 | 105 |
3・3.64・4・5 | 45 | 120~ |
野物材は、羽柄材とも呼ばれ、一般建築用の各部材として使用する事を前提に製材していることから、それぞれに「貫(ぬき)」「垂木(たるき)」「野縁(のぶち)」のように、一般建築に於ける各部の名称が、そのまま名称となり呼称されています。
厳密に分類すれば細分化が進みますが、田村材木店では大きな分類として、角材や平角材などの大きな部材は「構造材」、ひと手間加え化粧用として使用するのが「造作材」、それ以外の小割材や板材を「野物・羽柄材」として、原則、杢目や色艶などの化粧性が必要ない、乾燥方法等に特段の指示が必要ない、特別な加工がいらない、などの部材をこれに含め管理しています。
基本的には弊社の製材品は「半製品在庫」が原則ですが、野物材に限り、お引き取りのお客さまの頻度、流通量、販売量から、常時完成品在庫を一定量準備しております。詳しくはお問い合わせください。
貫(ヌキ)や垂木(タルキ)、破風板(ハフイタ)、野地板(ノジイタ)などの一般規格の製材品は常時、出荷できる製品として在庫しています。基本的にはタルキなら9本で1束、野地板なら1坪で1束、という単位で販売しておりますが、全てバラ出しも可能です。
量産工場の製材品とは違い、原木丸太自体の品質や部位による良し悪しによって製材する品目を変えるので、用途による不具合が生じないのが田村材木店がつくる野物・羽柄材の特徴です。
例えるなら、一般建築に於ける天井を上げるための下地材として用いる「野縁(ノブチ)」、比較的小さな部材なので、大きな節が入っているとそこから大きく曲がってしまったり折れてしまう事があります。田村材木店の野縁はそうならないように、節の少ない辺材の部位でつくり、大きな節のあるものは、土木用材の土留板などに製材を変えるようにしています。
野物・羽柄材は、一般的には「下地用」として用いられることの多い部材ですが、一般建築に於ける下地作業の工程は最も時間を要する工程です。下地用材が良いか悪いかで工程に於ける手間は大きく変わってくることと思います。出荷もとや産地が不明確な外国産材を使用することなく、ぜひ、日光産の野物・羽柄材をご利用ください。
土木用材も生産しています。通常土木用として使用されることが多い部材、貫(ヌキ)・半貫(ハンヌキ)・桟木(サンギ)などの製材品と、丁張り・測量に使用する杭(クイ)、そして土留めに使う土留め板(矢板)、丸太杭、などを生産販売しております。それぞれに、樹種と寸法に種類がありますのでお問い合わせください。また、コンパネやパネコート、各種ベニヤも取り扱っております。
田村材木店が生産する「野物材・羽柄材」は、製品として出荷する一歩手前『半製品(はんせいひん)』で、天然乾燥施設内で在庫・保管しています。注文に合わせ出荷の直前に仕上ることで、高品質の製材品を納品する事ができます。
お引き取りの際には、事前にご連絡をいただければお待たせすることなく準備をいたします。
半製品の形状は、小割する前提の耳付板であったりするように、出荷時の形状とは大きく異なる製材品が大半です。そのため、通常の規格寸法から数センチ前後する製材品や、板目・柾目の指定まで多種多様な注文に対応できます。また、仕上方法や乾燥方法の指定まで幅広く対応できますので、詳しくはお問い合わせください。
半製品には、プレーナーで仕上げる製品と、鋸で小割した後にプレーナーで仕上げるものとがあります。
田村材木店の野物材の出荷量で最も多く、最も在庫量が多いのが、主に垂木・間柱・筋交・根太などに使用する事を前提として製材している、厚み50㎜に製材した「50mm板」になります。この50mm板は、長さが2m・3m・3.64m・4m・5mの5種類に加え、樹種がスギとヒノキとがあります。乾燥を経た50mm板は、注文に応じ小割してプレーナーで仕上げて厚み45mmに仕上げます。巾は間柱なら105mmや120mmに、筋交いなら90mmにと用途に応じて様々な寸法に仕上げて納材します。